うんきのこのはなし

うごメモで描いているうんきのこ。
奴は、キノコ型の精霊。
関わった人の運気を上げる、不思議な奴。


生まれたのは19歳の大学生の頃
あまりにも講義に興味がわかなくて、それでも眠気防止にノートをとっていた
ホワイトボードにあった「王」と言う字が、うんきのこの「かさ」の部分に見えてきた

それから、うんきのこと脳内会話をするようになった
奴は意外と素早くて、普段はぽーっとしてるけど、ちょっとつつこうとするとビュンと逃げる

イマジナリーフレンドは大人になったら会えなくなるという。

それ以前のもっと小さい頃にもイマジナリーフレンドはいたけれども、本当に実態が何もないもので、姿は見えなかったし、会話をしていた、ということくらいしか覚えていない。

自分にとって19歳という年齢の時は、研ぎ澄まされていたのだと思う。
体だけは大人に近しいものに完成しつつあり、ある程度の自由が手に入りはするものの、保護者の管理下に置かれ、安全な中に制限された非常に贅沢な環境を苦しい思いで生きていた。

仕事を始めるようになってから、うんきのこにあんまり会えなくなっていた。
だから、今は何十冊とある雑感や落書きがとりとめなく綴ってある「レペゼンノート」を見返しながら
19歳の頃のうんきのことのやりとりをちょっとずつ辿っているだけなのである。





うんきのこの実家はブティックで、母子家庭で母ちゃんが1人でうんきのこを育てた
ブティックはあんまり売上が芳しくなくて、母ちゃんは週3くらいでスナックでも働いている

うんきのこはすぐ増える
でもその増え方は胞子の影分身、孫悟空の体毛のようなもの
子孫を残すには、きちんと木に身を据えなければならない

普段は奴は奴の町に住んでいて、奴なりの穏やかな日常を送っている
仲間とバンドを組んだり、スケートしたり、バイトしたり、学校行ったり、チョコレート・キャンディ食べたり
奴の世界での話なので、私たちが目にするようなものとは違うのだろうけれども

うんきのこは涙流すものの見方だ
涙は、目から流れても、脳から、心から、流れても

行き場のない涙をかぎつけてやってくる
そうすると、うんきのこはのなみだマンを呼んで、なみだマンは涙を採取する
なみだマンは頬を赤らめながら貯涙庫に向かい、涙は種類別に涙タンクに貯められていく

かみさまがたくさんの種類の中の涙タンクの1つの
バルブをひねると、地上に雨が降る

怒りの雨は激しく哀しみの雨は冷たくよろこびの雨は優しく

そうして行き場のない感情の涙は誰かの元に降り注ぎ、地に還る




っていう話は当時の友達にはあまりしていないのだけど(気持ち悪がられると思ったから)、落書きでうんきのこをよく描いていたので、
「カワイイ!」と言われたので調子に乗ってフェルトのマスコットやら粘土細工のストラップやらを作ってプレゼントしたりしていました。

そしたらプレゼントした友人に彼氏ができたりなんかして
運気が上がるうんきのこだ!

ってちょっとした人気ものになったり。
ほんと、不思議な奴なんだよ、奴は。